コアには、「ラボラトリー講座」という名の、特別な講座があります。
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この講座では、現在、愛知学院大学教授の江口先生による「夢分析」の講座が行われています。江口先生は、ユング派の分析心理学者なので、この講座も、もちろん、ユング派の夢分析を、参加者の夢を題材にして行なっていきます。
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私は、よく夢を見ます。誰でも、レム睡眠の時には夢を見ていると言われていますから、一晩に数回の夢を見ているはずですが、それを覚えているかどうかは、人によってさまざまです。私は、睡眠が浅いのかもしれませんが、よく夢を覚えています。それも、うなされるほどの悪夢から、亡くなった友人が語りかける夢、笑いながら腹を痙攣させて目覚める夢、汚い夢、泣く夢、エッチな夢....と本当に多彩です。それらに何らかの意味があるとは、今まで思ってもみませんでした。しかし「ラボラトリーコース」に参加して、2度ほど、自分の夢を分析してもらい、その意味を考察していくうちに、夢がまさに、「無意識からの語りかけ」であることを知り、自己理解がよりいっそう深まるのを実感しました。
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ユング派では、夢分析を特に重要視しています。ユングの著作も多数翻訳されていてますが、どの本も、古代・中世の象徴の研究を収めたものばかりで、現実のクライエントを扱った事例研究はほとんどありません。ですから、我々のように心理カウンセリングに携わっている者が読んでも、いわゆる「靴の上から痒いところを掻く」ようなもどかしさを禁じえません。しかし、ひとたび、江口先生のような、専門のユング派心理学者の分析を受けると、そのもどかしさが氷解したような深い理解が得られます。
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今年の物故者のなかでも、河合隼雄さんは、私たちのような心理に携わる人間が多かれ少なかれ影響を受けた人物でしょう。河合さんは、ユング派の心理学者として、つとに有名で、私も、著作を愛読しています。河合隼雄さんの『ユング心理学入門』(培風館)という本は、1967年の発行の本ながら、今でも57刷を数える、文字通りの“ロングセラー”です。この本は、ユングの研究がとてもわかりやすく、しかもコンパクトにまとめられていて、ぜひ手元においておきたい1冊です。(300ページ余の本で1300円と、とってもお得です)。象徴や夢分析はもちろん、普遍的無意識、アニマとアニムス、個性化などの重要なキーワードも、河合さん自身の豊富な事例も含めて、詳細に解説されています。(ちなみに、『夢分析』(人文書院)というセミナー本もあり、これは数少ない、事例研究です。ただし、かなり高額な専門書です)
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江口先生の「ラボラトリー講座」は、半年で3回の短いコースですが、1回の内容がとても充実していているのが特徴です。カウンセリングの奥深さを体験する意味でも、ぜひ受講してみてはいかがでしょうか。あ、それから言い忘れましたが、1月から始まる、1回完結の「プチ講座」もお忘れなく。 |