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宮崎駿監督の引退について思うこと 2

宮崎理事長 2013/09/15
宮崎駿監督の長編アニメ引退作である

「風立ちぬ」

皆さんはもう映画館でご覧になりましたか?
私もやっと先日映画を見る事ができました。

初め、見たいと思った理由は、
女性が主人公の映画を作ることの多い
宮崎駿監督が
なぜか、今回男性が主人公である点。
男性である私は、男性視点での映画製作に
興味津津でした。

また、映画の主人公が勤めている
名古屋にある三菱の会社は
私の実家の近くにあるんですよ。
いろいろな意味で身近に感じていた作品です。

それから、引退作と聞いて、
なおさら行きたい気持ちが上がってきた次第です。

映画を観た方の評価は、
賛否両論あるみたいですが、

私は、良い映画だと感動しました

(続く)

続き 
ただし、これ以降は映画ネタばれします。





私が一番感動し、思わず、涙が出たのは、
二郎の恋人菜穂子が、最後、何も言わず、
黒川家を立ち去り、バスの横を歩いていくシーンです。

結核を患い、山の療養所で孤独の中、
二郎と生きたいと頑張っていた菜穂子。
しかし、死を悟ったのか、突然、 山の療養所から、
電車に乗って二郎のもとへ行きます。
そして、結婚をし、一緒に住むことができるようになります。
でも、 二郎は仕事の毎日。
夜中わずかな時間しか、一緒にいることができない。
でも、弱音を吐かず、二郎を健気に支え続ける菜穂子。

泊まり込みの出張へ行く二郎を、
最後は、普段通り、笑顔で見送ります。

二郎が出かけた後、菜穂子は、
黒川夫人に散歩に行くと嘘をついて、
黒川家を出ていきます。

外に出て、
二郎の妹が乗っているバスの横を
菜穂子は振り向かず、
歩いていきます。(このあたりから涙が

二郎の妹が、黒川家に行くと、
菜穂子がいないことに気付き、
先ほどのバスの横を歩いていた女性が
菜穂子だと確信します。 

菜穂子を取れ戻そうとしますが、
黒川夫人が、力強い声で、止めても無駄と、
涙ながら言ったあとのセリフ。

「好きな人には綺麗な姿だけ見せたかったんだね。」

好きな人に一番美しい自分を知ってもらいたい。
そして、その記憶のまま、永遠に二郎の中で、
生き続けたいという乙女心。

死を前にして、怖くて、辛くて、不安な弱音を吐きたい
甘えたい心。

そんな心の葛藤をしながら、
最後は、たった、ひとりで、山の療養所へ帰る後ろ姿。

その姿に、こころが撃たれました。

女性の持つ凛とした強さを感じる瞬間でした。

男である私は、
主人公二郎の男として仕事に生きる姿に
感動するのかと思ったら、
そうではありませんでした。

映画では、女性はあまり出てきませんが、
逆に、その女性たちのほうが強く印象に残りました。

菜穂子
黒川夫人

女性のもつ、女性性、
そして、女性の中にある男性性を
両方もっている素晴らしい人物だと感じます。

「生きねば・・・」

このメッセージ性を強く感じる映画です。

映画で起こる様々な出来事(大震災、金融恐慌、戦争・・)は
これからの日本を予言しているように思えます。

そんな時代にどう私たちは生き抜けるのか?

それを問われているように思います。

常識(タバコはだめ、結核患者は隔離すべき)
世間体(結婚していないのに)
過去の経験(そんな飛行機できるはずない)
などに

とらわれ過ぎるのではなく、

今、ここでの、
自分自身の心の中にあるものに
素直になってみる。

それは正解かもしれないし、
不正解かもしれない。

でも、生きるに値するのが人生だと思いながら、
葛藤の渦の中を、生き抜くんだ。人は。

そう思える映画でした。

心理カウンセラーだからでしょうか?

二郎とイタリアの有名な設計士カプローニの
対話は、いつも夢の中で行われています。
無意識からのメッセージと感じます。

私が学んできた心理の世界観が、
とても如実に反映されています。

ぜひ、皆さんも、
それぞれの感性を大事にしながら、
宮崎駿監督最後の長編アニメ作品を
味わってみてください。

今回の映画は
何が良いとか悪いとかではなく、
味わうことに意味があると感じます。

 

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